2008年6月26日木曜日

10代の性ー絶たれるいのち


 先週のことになりますが、札幌市立大学サテライトキャンパス(北海道庁旧庁舎向かい)で開催された同大学専門講座「10代の性を守るために」に参加しました。性感染症の広がりなど10代の性をめぐる現状には非常に厳しいものがあります。

 しかし、市内2校の高校生の参加と北翔大学学生によるセクシャリティ教育のピアサポートの実演があったせいでしょう、今回は焦燥感にとらわれず、それを上回る「力」と「希望」を持って帰路につきました。政治、教育、医療分野の各発表者の方々が共通して、「若い人には力がある」という前提で、愛情を持ってその支えとなる環境づくりに尽力している姿勢が強く感じられたことも影響しました。

 数多くの事柄の中で、特に強く印象に残った指摘があります。小児医療の現場にいる同大看護学部教授・松浦和代さんは次のように話しました。
 「20歳未満の人工妊娠中絶数は年間、約4万件。一方、年間、小児がん、交通事故で死んでしまう子どもたちは、それぞれ約400人と約500人。こうした400、500の子どもたちの命をどうにか救おうとして格闘し努力している私たちにとって、この4万件という数字はあまりにも、大きな、大きな、数字です」

 私は強く思います。
 女性には子どもを産むか産まないかを選択する権利がある。
 と同時に、胎児はどの瞬間も命ある子どもである。

10代の若い人たちが自分なりの性と生を生きられるように「正しい知識と情報」という力を届けたい。

「子どもを産まない」と選択した女性を支え、そして「産む」と選択した女性を支え、かつ「産まれたい」と願う子どものいのちを支えたい。

絶たたれるいのちが少しでもゼロに近づくような社会のつながりを求めて仲間とともに歩みを進めていきたい、との願いを強くしました。

写真の花は「わすれな草」。